『無明逆流れ』と『シグルイ』と私

チャンピオンRED最新号のシグルイ読んだ。


シグルイと言えば南条範夫先生の小説『駿河城御前試合』を原作としている、なんてことはシグルイ読者ならよくご存知でしょうけど、その原作からはほとんど想像できないストーリーが展開していることはなおさらご承知かと思います。
なんかいいシーンのオンパレードでしたよね、今回は。

ウミガメの産卵シーンとか、あとの源之助と清玄の会話とか。


まあ内容はいいんです。読んでもらえれば分かりますから。
じゃあ何が言いたいかというと、山口先生はなんと恐ろしい読者なのだろうということです。だってそうじゃないですか、みんな思ったでしょ、シグルイで原作に興味もって、実際読んでみて、違うじゃんて。でも僕は思うのです。山口先生は、シグルイの全部のシーンをあの『無明逆流れ』から読み取ったんだと。読み取ってしまったんだと。「行間を読む」なんて言葉では足りないくらい豊かで美しくて深くて残酷ななにかを取り出しちゃったんです、山口先生は。

シグルイは創作というより、感想文にちかいと思います。
山口貴由という唯一無二の読者による、『駿河城御前試合』の感想文。
こんな出会いを目撃できている幸運をかみ締めたいと思います。

こんなはてなグループの使い方 - 失われた青春を取り戻すソリューション

http://school-days.g.hatena.ne.jp/


はてなグループの機能をフルに使った共同創作グループ
と僕は認識しています。
架空の町に住む架空の人物の視点で、好きな日付の日記を書いておく。
すると別の参加者がその記述に登場する別の人物の日記を書く。
それが重なることで、キャラクターは生きだして、動き出すんです。
えーと、例えば


id:extramegane さんが「松野敬久」の視点でこんな日記を書きました↓
キスされる - センチメンタル☆ユニバース - LinkLink青春☆ユニバース


で、それを見てid:jalam さんが「田上靖代」の視点でこんな日記を書きました↓
http://school-days.g.hatena.ne.jp/jalam/19950716/p2


このお二人は打ち合わせとか全くしてません。
extrameganeさんが勝手に書いた記述を基に、jalamさんが勝手に付け加えちゃったんです。
僕はこれを見た時に「うわーおもしれー!」と思いました。
これがもっとたくさんの参加者によって、いくつも積み重ねられたら凄いことになると思いませんか?
うん、見てるより、参加するほうが楽しいよ。


ああ、ところでみなさん松野くんや田上さんのことを知らないですよね。
そんな時はその名前のキーワードを見るといいです。
松野敬久 - LinkLink青春☆ユニバース
田上靖代 - LinkLink青春☆ユニバース

あんまり記述がなくて、よく分からない? なら、あなたが書いちゃえばいいんですよ。
「LinkLink☆青春ユニバース」こと g:school-days は立ち上がったばかりです。メンバー募集中です。

10年20年前の青春も、100年後の青春も、このグループでは描けます。
あなたの思いつきは、他のみんなが膨らまします。
みんなの思い付きを、膨らますのはあなたです。


ただ単純に楽しい、それだけで十分な動機になるはず。

文芸としての駄洒落

オヤジギャグである。
:デイリーポータルZ:父のダジャレを書き留める・花の写真


このすがすがしいまでのオヤジギャグの洪水に、私の中の駄洒落を愛する心がうずきだした。
「本当の駄洒落はこんなもんじゃないんだ!」
なのでこれから駄洒落について書き連ねていこうと思う。

駄洒落のクオリティを構成する要素

第一に「字面、発音の一致」が挙げられる。これがなければ文字通り洒落にならない。
第二に「文の長さ」を挙げておこう。これは一般的に短いほうがよいように思われる。全く意味の違う語が、発音が似ているというだけで結び合わされるのが駄洒落である。これは簡単なことではなく、短い文で成立させるほど技量が高いと言えるだろう。
第三に挙げるのは「文の内容」である。上記 2 要素を満たした上で、どれだけ面白い文が作れるかが駄洒落士としての腕の見せ所である。

何故オヤジギャグは駄洒落としての完成度が低いか

冒頭に挙げたページにあるオヤジギャグを例にとって説明しよう。

きれいな景色を見に来て、そんなケーシキ(形式)ばったことを言わなくてもいいんだよ。

「景色」と「形式」、「けしき」と「けいしき」によって駄洒落を成立させている。これは問題ない。
しかし! しかしである。いかんせん長すぎる。いくらなんでも駄洒落としては長い。まだしも「形式的な景色」のほうがすっきりするではないか。
しかも、文の内容がつまらない。「きれいな景色を見に来て、そんな形式ばったことを言わなくてもいいんだよ」真っ当すぎる。


先述したが、駄洒落という言語遊戯はもともと関係無い言葉どうしを、発音の類似によって繋げるものである。それが大前提だ。
しかし、ただつなげればいいというものではない。文として成立していなければならないのだ。この例のように前後に言葉をいろいろくっつければそれは簡単だ。それをいかに短くするか、そこに駄洒落士の巧みさが問われるのだ。この点から見れば、例に挙げたような駄洒落は、オヤジギャグという蔑称を与えられたとしても、弁護できない。

文芸としての駄洒落

先に挙げた要素をすべて高いレベルで満たした駄洒落は、俳句や短歌と並べて語られるべき文芸といえるだろう。
だが、そのようなレベルの駄洒落にはそうそうお目にかかれない。長く言い続けられてきた古典的な駄洒落といえど、例外ではない。

例えば「電話に出んわ」。
これはまさしく駄洒落のスタンダードナンバーである。一致度、長さ、ともに申し分ない。しかし文の内容はどうか。電話に誰も出ないことは日常的にあり得る。面白味に欠けると言わざるを得ない。
他にも、「猫が寝込んだ」にも同じことが言える。「ワニが輪になる」は意外性があるが、一致文字数が二文字というのは技巧的には物足りない。


さらに完成度が高い駄洒落として「アルミ缶の上に在るミカン」が挙げられるだろう。驚きの五文字完全一致が炸裂だアーッ!! しかもアルミ缶の上にはみかんは普通ないぞ! お前わざと置いただろう!
という感じで、非常にいい。


とまあここまで能書きを垂れてきたが、創作には枠をぶっ壊すことが必要不可欠である。その先にしか感動はないのだ。駄洒落でそんなことができるのだろうか。
できる。できるのだ。


布団が吹っ飛んだ


凄い。としか言いようがないほど凄い。「ふとん」と「ふっとん」完全一致ではない。しかしそれが文としての意外性、勢いを増している。
「布団」が「吹っ飛んだ」。ありえない。
駄洒落でしか成立しない文。想像して欲しい。布団が吹っ飛ぶところをご覧になったことがあるだろうか。単に飛ぶのではない、吹っ飛ぶのだ。
ありえない文が、駄洒落だという理由だけで、そこに居て当然のような顔をして存在を許される。
「言葉には力がある」それを実感する。
しかも、必要最低限の長さ。これ以上短くしようがない。


これを超える駄洒落は存在するのだろうか。という気持ちになる。
きっとあるのだろう。言葉の世界は無限大だ。それを探して僕らはこれからも文を書き、読み、話し、聞くのだろう。

ブログ論書けない。

今、コメントについて書こうと思って、途中まで書いてたんですけど、やめちゃいました。

どうもブログでブログについて書くってことに違和感があるのかもしれません。だって自分が書いた瞬間にその文章は自分のブログに返ってくるんだもの。これはちょっと怖いですよ。
だからブログ論を書いてる人たちはすげぇなあと思います。そんな人たちは、書いたことに責任をとる覚悟があって、実際できてるように見えます。あの人とかあの人とか。

ブログについての文章をブログに載せた途端、そのブログはブログでありながら、ブログでなくなってしまう、いわばメタブログ。純粋な意味でのブログとは言えない気がするんだよなあ。広い意味ではブログなんですけどね、その間口の広さがブログのよさでもあるわけだし。でもやっぱり、区別しておきたい、自分の中では。

純粋日記なんて言葉がありますが。じゃあ純粋ブログってなによってことを我々 blogger は探してゆくべきではないでしょうか。でしょうかじゃねえよ。

あれ、これってブログ論じゃね?
しまった。

id:comnnocom はブログとメタブログを混同していますね。

はてなブックマーカーに50の質問に答えよう。

http://d.hatena.ne.jp/mount-root-yy/20060505/1146828131より。

  1. idは?
  2. はてブの名称は?
  3. はてブ歴は何年何ヶ月ですか?
    • 最初のブクマが2005年6月17日。だけど一日何個もブクマするようになったのが10月だから、半年ちょっとですね。
  4. はてブの使い方は?
    • 個人ニュースサイトの代替
      • 何かの代替とはいえないのだけど、一番近い使い方としてはこれかなあ。公開する意味の無いものは公開しません。見て欲しいからブクマしてるんですよ。他の方のブクマもそういう風に見てます。
  5. あなたのはてブには特定のテーマはありますか?
  6. コメントの使い方は?
    • 対象への感想・意見
      • たった100文字で評論家気取りです。
    • 他のブクマユーザーとの会話
      • 時々やってる。
  7. タグの使い方は?
    • 対象の分類
      • まあオーソドックスに。オレ分類ですけど。
  8. タグ付けのポリシーは?
    • みんなが後で検索しやすいようにある程度定型化された分かりやすいタグを使う。
    • 誰がどんなタグ付けしようと勝手であるから、自分のやりたいようにやる。
      • 両方やってます。自分が後で検索しやすいように自分にとってある程度定型化されたわかりやすいタグを使ってます。それをほかの人が使っても別に構わないです。
  9. ブクマポリシーは?
    • せっかく公開するんだから、他の人にもこのエントリーを見てもらいたいと思うものをブクマしています。それを入手する手段はいろいろ。RSS、お気に入り、注目エントリー、なんでも。
  10. 現在のブクマ総数は?
    • 784
  11. 現在の使用タグ総数は?
    • 117
  12. 最も使用頻度が多いタグは何ですか?
  13. 一日の平均ブクマ数は?
    • 2〜6ぐらい。
  14. 一日の最大ブクマ数は?
    • どうなんだろ。20ぐらい?
  15. 特段の事情がない限り、ブクマは毎日欠かさない?
    • いや、別に「今日もブクマするぞー!」ってやってるわけじゃないですので。普通に途切れます。
  16. お気に入りは何名?
    • はてブのお気に入りに入れてるのは3人。あとRSSで見てる方が何人かいます。
  17. 被お気に入りは何名?
    • 24人。ありがとうございます。励みになります。
  18. お気に入りユーザーの選定基準は?
    • その人のはてブに興味がある時に。エントリーではなく人を重視してます。エントリーだけ見たいときはRSSリーダーに登録。
  19. 「コレクション」は使ってますか?
    • つかってません。
  20. はてブの検索機能は使ってますか?
    • 全体検索ではURL検索はよく使います。
  21. いわゆるタグ芸についてはどう思いますか?
    • 面白い。道具が置いてあれば、思いもよらぬ使い方をする人が現れるのはもう必然ですので。どんどんやっちゃいなよ。
  22. いわゆるjna○ya流のタグ付けについてはどう思いますか?
    • 正直に言えば好きではありません。でも私にはそれをやめさせる権力も権威も機能も持ち合わせてないので、こうやって言うしかありません。それは「無断リンクやめてください」という位の強制力を持ちます。つまりほとんど持ちません。
  23. いわゆる痛い記事・サイト等をはてブでさらし上げにする行為についてはどう思いますか?
    • 「さらし上げするぞ」と思ってするのは嫌いです。でも、それぞれが独立してブクマした結果さらし上げになってしまったとすれば、それにはある程度の意味があると思います。
  24. コメント・タグによる罵倒・侮辱等の行為についてはどう思いますか?
    • 基本的には嫌いです。人に見せるための場でそういうことを言っても平気な人なんだなという判定をします。
  25. いわゆる「あとで読む」タグについてはどう思いますか?
    • 基本的には嫌いです。ブックマークって何のためにあるか知ってる? という感じ。自分は「あとで読む」タグについて書かれた記事にはつけてます。[コメント]とか[セルクマ]も同じ。コメントした記事や、セルクマした記事につけるのは嫌い。コメントやセルクマについて書かれた記事につけるのはOK。[コメントした]とかにしてほしい。kanoseさんとか。
  26. あなたがブクマしている記事・サイト等からベスト3をあげてください。
  27. 逆に「これはひどい」トップ3があれば、あげてください。
    • パスさせてもらいます。
  28. あなたのお気に入りユーザーからベスト3をあげてください(→あなたにとってのアルファブックマーカー)。
    • なんと3人しか登録してない! というわけで。
    • ああ、この3人の方は私にとってと限定しても、「アルファ」ではないと思います。あくまでも「お気に入り」。
  29. 「このタグを使っているのは私だけだ!」というのがあったら教えてください。
    • [世界の騙り直し]
      • 多分似たような文脈で別のタグを使ってる方もいると思うけど、自分の中ではこの表現がしっくり来ます。
    • [レシピ]
      • タグ名自体はありふれてるけど、その中身を見ていただければ。[hatena]タグよりむしろこういうのが悪意を持って氾濫する方が怖いと思います。
  30. 「今のところブクマしているのは自分だけだが、絶対これはお薦めだ!」という記事・サイト等があったら1つだけ教えてください。
  31. 「今のはてブには、これが足りない!」と思う機能等はありますか?
    • 検索機能の充実。
      • タグ、コメント、日付、user数、キーワード、カテゴリー、概要、タイトル、etc…… ひとつのエントリーにこんなにもたくさんのデータがあるんだから、蓄積されてるんだからそれで検索したい。
  32. 「今のはてブは、これがあるからすばらしい!」と思う機能等はありますか?
    • 各エントリーページのコメント一覧。良くも悪くもこれがあるからはてブ何だと思います。良くも悪くも。
  33. はてブ以外に使用しているソーシャルブックマークがあったら教えてください。
    • del.icio.usは触ってみました。使ってるわけじゃないけど。
  34. あなたがはてブ関係のツール等を作成しているならば、すべてあげてください。
    • ありません。できません。専らつかわせていただいてます。
  35. はてなブックマーカーについてはどう思いますか?(→「オマエモナー」と言われるのも覚悟で正直にお願いします)
    • はてなブックマークのシステム、サービスとしての価値を高めるボランティア部隊。お疲れ様。まあ楽しいのでいいんじゃん?
  36. プライベートモードユーザーについてはどう思いますか?
    • せっかく蓄積されてるのを見せてもらえないのは、残念です。
  37. 最近の人気エントリー」についてはどう思いますか?
    • 「ブックマーク」としては正しい一面だと思います。
  38. 注目のエントリー」についてはどう思いますか?
    • その名前にふさわしいものであって欲しいと思います。
  39. 1000usersを達成したエントリーについてはどう思いますか?
    • 別になんとも。かんとも。
  40. いわゆるアルファブックマーカーについてはどう思いますか?
    • 「アルファ」という言葉の意味について考えさせられます。
  41. はてブは内輪ネタが多すぎると思ったことはありますか?
    • ああ、「うぜー」とおもうことはありますよ。「注目」とかみてると。
  42. はてブを他人に薦めたいと思いますか?
  43. はてブユーザーをこれ以上増やしたくないと思ったことはありますか?
    • 思いません。もっともっと増えれば良い。
  44. いわゆるブックマークスパムについてはどう思いますか?
    • 嫌いです。やめて欲しいです。
  45. 最近の人気エントリー」入りを狙って、ブログ記事等を書いたことがありますか?
    • 僕の各記事はどれも「これは30usersは間違いないぜ!」と思って書かれたものです。一つの例外もなく。ここだけじゃなくて断片もファック文芸も。
  46. いわゆるSBO(ソーシャルブックマーク最適化)についてはどう思いますか?
    • それで書きたいことが書けてきちんと読者に伝わると筆者が考えるのならば、いいんじゃないですか。
  47. ソーシャルブックマーク以外で使用している情報収集・集積手段があれば、教えてください。
    • インターネット。
  48. 自分ははてブ中毒だと思いますか?
    • 中毒の人は「いつでもやめられる」と言うそうですが、はてブなんていつでもやめられます。
  49. ソーシャルブックマークは将来こうなる、または、こうなってほしい」というのがありましたら、述べてください。
    • 僕らの納めたデータを僕らの使いたいように使えるようになってほしい。プログラムとかの知識がない人でも感覚的に。
  50. 最後にはてなスタッフのみなさんへ一言。
    • いつも使ってます。ありがとう。

blogger が blogでdo すべき 10 の理由。

  1. blog を書かない bloggerblogger ではないから。
  2. そこに blog があるからさ。
  3. blogger がしたいことは全て blog にあるから。
  4. 君の中には、blog の seeds がぎっしり詰まってるんだよ。
  5. blog 以外のものも blog に取り込めるから。
  6. 人は blog を書いても生きていけない、blogger でなくては生きている資格がない。
  7. 人はみな blogger だから。
  8. ひとつ!! blogger はイザという時にはやらなくてはならない!!
  9. ふたつ!! 今がイザという時である
  10. そしてみっつ!! おれは…おれたちは blogger なんだッ

ブロギーという立ち位置

最近「ブロギー」という言葉が頭の中にずっとあります。

ブロガー(blogger)が 「blog する人」ならば、ブロギー(bloggee)は「blog される人」。

単なる、ブログを見てる人じゃなくて、ブロガーの伝えたいことを真摯に受け止めて、何故そんなことを書いたのか考えて、記事が本当に伝えたいことを読み取ろうとする人。そしてそこから得たものを自分の中に取り入れ、その上で自分の考えを昇華させていく人。それでもし必要だと思えば、コメント欄に書き込んだり、はてブにブクマしたり、自分で記事を書いてトラックバックしたりする人。

僕達が「沈黙のオーディエンス」と呼んで、何か得体の知れない、ふわふわとした存在のように思っている人たちだって、沈黙してるだけで何もしてないわけじゃなくて、そこに確かにいて、笑ったり怒ったりしてるわけで、そういう立ち位置にしっかりと名前をつけておきたかったんです。

もちろんブロギーとブロガーは紙一重で、よいブロガーである人はよいブロギーでもあると思いますし、その逆もまた然りだと思います。

なんていうんだろ、ブロガーは「世界を変えようとする人」、ブロギーは「自分を変えようとする人」なのかもしれません。だとすればブロギーは責任重大だ。誰に対しての責任? もちろん自分自身に対しての責任です。ブロギーの活動は全て自分に帰ってくるものだから。

ブロギー道は奥深いなあ。