僕らはホッテントリを探しているのだろうか。それとも……
哀しい web2.0 の亡霊を探しているのだろうか──。
たとえば、の話
あなたがグーグルボットのアルバイトをするとしよう。
仕事は簡単、広大なネットに存在するリンクというリンクを辿り、どのURLに何が記載されているかをひたすら報告することだけ。ページの内容は関係無い。ただ書いてあることを報告すればよい。短い時間で出来るだけたくさんのページを巡回することが望まれている。
あなたはこんな単純作業をしたいですか。
もちろんこれは単純作業だから人間様は機械に任せることにした。そのおかげで膨大な数のwebサイトをインデックス化できている。
でもこれはいわゆる web1.0 的なやり方。のような気がする。
時代は変わってソーシャルタギングがもてはやされる昨今。困ったことにタグは機械的には付けられない。タグを利用したサービスを作るにしても、まずはタグ付けされたページがある程度たくさんないと成立しない。んで、ここで効率の良いタグ付けの方法は? と考える。
それでまず頭に浮かんだのが、上で書いたやり方。つまり、膨大な数の人間を雇って片っ端からタグを付けさせる。ところが、「果たして全部のページにタグをつける必要があるのか」とか、「雇った人間が全てのページに適切なタグを付けられる知識や経験を持っているわけなどない」という問題点が次から次へと浮かんでくる。なにより金がかかる。
出来るだけたくさんの人間に、進んで自らタグを付けさせる方法は?
その答えの一つが「ソーシャルブックマーク」なんだろね。と言うお話。
まず、ソーシャルブックマークはブックマークである。役に立つのである。
そこにタグを導入、「整理しなくてもいい」という錦の御旗によって、人類最強の敵「めんどくさい」は覆い隠される。
そしてソーシャルブックマークはソーシャルなのである。楽しいのである。
同じタグをつけてる人を見つけることが出来る。今まで、敷居の高かったあのサイトに自分の言葉をさりげなく届けることが出来る。
そして僕らは誰に促されるわけでもなくタグをつける。自分のために。
そしてサーバーにはタグ情報が蓄積がされていく。僕らは夢見る。「タグがあればあんなこともこんなことも出来るぞー」。自分のつけたタグで未来が作られていく、それは誰のため? 自分のため、誰かのため、サービス提供者のため。
web2.0的サービスっていうのはは今まで機械が全部まかなってきたはずのシステムに、一人ひとりのユーザーが組み込まれていくということなんじゃないの。そうかも。
そしてweb2.0的サービスの楽しさは使ってみないとわからないことが多い。今までなかったサービスなんだし、使ってもらうことで完成するタイプのサービス主流になるだろうから当然だ。
だからサービスそのものの良さはもちろんなんだけど、まず使ってもらうための、そして使い続けてもらうためのインセンティブがどうしても必要だ。それは何かわからないけど、想像力を刺激することが有効なユーザーを取り込めればいいかもしれない。「このサービスがでっかくなったら凄いことになるぞ」そう思わせられたらしめたものなんじゃねえの?始まった時点ではその想像たくましい未来像を実現できていなくても構わない。なんたってweb2.0は「永遠にベータ版」だ。そしてそんなユーザーがたくさん集まれば、「たくさん人が居る」「有名なサービス」ってことがインセンティブとして有効なユーザーが集まってくる。
そして僕らは誰に促されるわけでもなくタグをつける。自分のために。
そしてサーバーにはタグ情報が蓄積がされていく。僕らは夢見る。「タグがあればあんなこともこんなことも出来るぞー」。自分のつけたタグで未来が作られていく、それは誰のため? 自分のため、誰かのため、サービス提供者のため。
web2.0的サービスとはユーザーがシステムの一部として働くもの、って考えたら、ユーザーに対する対応もシステムメンテナンスの一環として捉えられるのかもしれないね*1。
あ、例によってタイトルには深い意味はございません。(元ネタ)