昔話からweb2.0の本質を見直す。(ver.竹取物語)

与太話。

世にある昔話には、後世に対する予言が含まれていることはすでに常識ですが、それはこのIT全盛の現代に対しても全く同じと言えます。

例えば、日本最古の物語と言われる『竹取物語』にもそれがはっきりと読み取れるのです。もはや必要ないと思いますが、竹取物語の冒頭のあらすじを書くとこんな感じです。


今は昔、竹取の翁という人がいました。翁は竹を取って生活していました。
ある日、いつものように翁が竹林へ向かうと、たくさんの竹の中の一本、その一つの節がまばゆいばかりに輝いていました。その節の中にはなんとも美しい女の子がいるではありませんか。子供のいない翁はその子を家につれて帰り、かぐや姫と名づけておばあさんと一緒に大事に大事に育てました。かぐや姫は三ヶ月もしないうちに立派な女性となり、その美しさは全ての人を注目させ魅了しました。


さて、現在のwebにおいて、多くの人の注目を集めているもの、それは何でしょうか。言うまでもなく"web2.0"です。これは竹取物語の中で「かぐや姫」として表されています。
それでは、かぐや姫を見出し、命名した「翁」は誰でしょうか。web2.0を明確に定義した"Tim O'Reilly"その人と言えるでしょう。

かぐや姫の発見の経緯も注目すべきです。かぐや姫が発見された竹林は、どこにでもある普通の竹林でした。その竹林は翁以外にもたくさんの人が出入りしていたはずです。それなのに他の誰でもなく翁がかぐや姫を見つけることが出来たのはなぜでしょうか。それは翁が竹のエキスパートだったからです。日ごろから竹取を生業とし、竹に関しては人一倍詳しかったはずの翁だからこそ、光る節を見つけられたのです。
web2.0もまた、それまで多くの人が触れてきたwebで発見されました。web2.0という名前がつく以前から、その実体を見てきた人はいるはずです。それなのになぜO'Reillyがweb2.0を見つけられたのでしょう。webについて考えぬき、知り抜いていたからではないでしょうか。
このような詳細な点まで竹取物語が予告していたのは驚嘆に値します。

そしてweb2.0はあっという間にバズワードとなり、多くの人の注目を浴びるにいたったのです。


竹取物語の続きの部分はどうなっていたでしょうか。
かぐや姫を妻にしようとした5人の男性が現れます。しかし、かぐや姫は誰かの妻になることを拒み、5人に無理難題を言い渡します。5人は何とかして、その無理難題を果たそうとしますが、かぐや姫を満足させることは出来ません。

これは、web2.0世界の主導権を握ろうとして、さまざまな企業がweb2.0にふさわしいウェブサービスやウェブアプリをリリースしている状況に当てはまるでしょう。
しかし、最終的には誰もかぐや姫を手に入れる、つまりweb2.0市場を独占することは出来ないと予告されています。
考えてみればweb2.0ほど独占という概念が似合わないものはありません。

そしてその後かぐや姫は月に帰ります。
月は平成の今も、私たちを照らしています。web2.0も誰の手にも届かないところにある理想として、見上げればいつでもそこにあることでしょう。
webの歴史に「アポロ11号」が現れるその時まで。


ver.桃太郎:http://d.hatena.ne.jp/tomozo3/20060216/1140088950


元ネタ:http://gitanez.seesaa.net/article/13353516.html